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●来民(くたみ)うちわ ●唐招提寺うちわ
●奈良うちわ ●倉敷天領うちわ
●佐渡うちわ ●越生(おごせ)うちわ
●来民(くたみ)うちわ
熊本県の県北、山鹿市と菊池市のほぼ中間にある鹿本町来民(くみん)で作られ、丸亀や京都と共に団扇の三大産地と言われました。
四国丸亀の旅僧が一宿の謝礼として、団扇の製法を伝授したのが来民うちわの始まりと言われており、寛永16年(1639年)、藩主細川忠利公が鷹狩りに来た折りに団扇作りを奨励したこともあり、地場産業として町ぐるみで栄えたといわれています。しかし、全国第2位の生産高を誇っていた来民うちわも、時代の変遷と生活様式の変化により、今や命脈をたたれ、現在は1軒だけで伝統を継続しています。
●唐招提寺うちわ
唐招提寺うちわは古式ゆかしい可憐な「宝扇」です。
唐招提寺は天平宝字3年(759年)に奈良市五条町に創建され、都が奈良にあった1200年前は、いわば首都の中心街区でした。中国四文律の南山宗による戒律を軸として教学に励む我国最初の律寺であり、今も日本律宗総本山として仰がれています。
毎年5月19日に行われる「うちわまき」は、中興上人覚盛大悲菩薩追善のため、上人の薫陶をうけた法華寺の比丘尼たちが霊前に供えた団扇を、有縁者に授けたことに発端する儀式です。
●奈良うちわ
奈良うちわは、天平神護、神護景雲年間(765〜769年)奈良春日大社の神官の手によって軍扇の形に倣って作られたのが始まりだと言われています。別名「禰宜(ねぎ)うちわ」と称されるように、春日神職の内業であったとされています。江戸時代初期には、まだ春日大社の禰宜が内職にうちわを作っていたようです。一方で、大和人物誌によると、応永年間(1394〜1427年)に岩井善助が奈良団扇の創製者とあり、以後代々団扇製造を業としたとの記録もあります。
奈良うちわの最大の特徴は、正倉院模様や鹿などの風流な透かし模様があることです。
●倉敷天領うちわ
・岡山県倉敷市
●佐渡うちわ
・新潟県佐渡
●越生(おごせ)うちわ
・埼玉県入間郡越生町
■各地に伝わるうちわ